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準確定申告について
(確定申告書を提出する義務のある人が死亡した場合)
2021/3/16

確定申告書を提出する義務のある人が死亡した場合には、一般の確定申告に準じた確定申告書(準確定申告書)を提出しなければなりません。

準確定申告書により納付すべき税額は相続税の債務控除の対象となり、還付される税額は相続財産になります。

もくじ

  • 1
    準確定申告の提出期限
  • 2
    死亡後に受けた給与
  • 3
    死亡した年の医療費控除などの所得控除
  • 4
    配偶者控除、扶養親族の判定
  • 5
    死亡した年の住宅借入金等特別控除の適用
  • 6
    死亡した人の不動産賃貸収入
  • 7
    死亡した年分に課税される事業税
  • 8
    死亡した人の消費税の準確定申告

  • 準確定申告の提出期限

各相続人が連署して1通の準確定申告書を提出、相続分により按分した税額を納付

年の途中で死亡した場合
その年の1月1日から死亡の日までの所得税について、その相続人は相続の開始があったことを知った日(死亡の日)の翌日から4ヵ月以内に、準確定申告書を死亡した人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

準確定申告書には「死亡した者の所得税の確定申告書付表」を添付します。

この付表には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄、相続分、各相続人の納付税額などを記載します。

例)8月4日に死亡の場合、12月4日までに提出
 

申告期限前に死亡した場合
確定申告書を提出すべき者が、その年の翌年1月1日から3月15日までの間に申告書を提出しないで死亡した場合、その相続人は相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に、申告書を死亡した人の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。

例)2021年3月11日に死亡
(1/1-3/15の間に死亡、2年分の確定申告を検討する)
2020年分 ⇒ 2021年7月11日
2021年分(1/1〜3/11) ⇒ 2021年7月11日

 

  • 相続を放棄した人がいる場合
    相続を放棄した人は、初めから相続人でなかったものとみなされますので、その相続放棄者以外の相続人で準確定申告書を提出します

     
  • 相続分が確定していない場合
    各相続人の相続分が確定していない場合、法定相続分により按分した税額を各相続人が納付
    確定した相続分が法定相続分と異なることとなった場合でも、法定相続分による準確定申告は訂正する必要はありません。

     
  • 死亡した人の所得税の予定納税
    所得税の予定納税は、予定納税基準額が15万円以上となる場合に必要になります。
    予定納税基準額は、前年の所得から譲渡所得や一時所得、雑所得、退職所得等を除いたところで税額を計算して求めます。

    この予定納税による所得税の納税義務は、その年の6/30を経過するときに成立します
    予定納税義務成立前にお亡くなりになった場合、予定納税の納税義務はありません。
    予定納税義務成立後にお亡くなりになった場合、その相続人が納付義務を承継することになっています。
    この場合、納付した予定納税額は被相続人の準確定申告で控除されます。

     
  • e-Taxによる電子申告を行う場合
    相続人が2名以上いる場合、各相続人が申告内容等を確認した上で、署名した確認書(PDF形式)をe-Taxで送信する必要があります。
    申告書の電子証明書は代表相続人のみが必要で、相続人全員分は不要となります。

     
  • 還付金を相続人の代表者に一括で受領させる場合
    相続人が2名以上いる場合で、相続人代表が、その他の相続人が受け取るべき還付金を代表して受け取る場合には、各相続人が申告内容や還付額等を確認した上で、署名した委任状を提出する必要があります。

  • 死亡後に受けた給与

所得税?相続税?

死亡時までに支給期の到来していたもの
死亡時までに支給期の到来していた給与は、所得税が源泉徴収され、死亡退職時に年末調整が行われます。
準確定申告では給与所得として申告します。

 

死亡時までに支給期の到来していないもの
死亡後に支給期の到来する給与は、相続財産として相続税の課税対象となります。

例えば、死亡後に支給の確定した給与のベースアップの差額や、死亡後に支払い決議された賞与などは、本来の相続財産として相続税が課税されます。

 

死亡後3年経過後に確定したもの
死亡後3年経過後に支給の確定したものは、その支給を受けた遺族の一時所得として所得税が課税されます。

 

  • 死亡した年の医療費控除、社会保険料などの所得控除

亡くなった年の医療費

死亡した時までに支払った医療費
準確定申告で医療費控除します。

 

死亡後に支払った医療費
生計を一にしていた親族が支払った医療費は、その者の確定申告で医療費控除を受けることができます。

※ 死亡後に支払った医療費は、相続税の課税価格の計算上、債務として控除することができます。

また、
死亡診断書は、火葬許可証をもらうために必要な書類ですので、その費用は相続税の課税価格の計算上、葬式費用として控除します。

 

社会保険料控除など
死亡した時までに本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合には、所得控除できます。

死亡した時までに支払った小規模企業共済等掛金、生命保険契約などの保険料、損害保険契約などの地震保険料についても所得控除できます。

  • 配偶者控除、扶養控除の判定

適用要件の判定
生計が一であるか等については、次のように判定します。

① 生計を一にしていたかどうか、および親族関係にあったかどうかについては、納税者の死亡時の現況により判定します。
② 合計所得金額は、納税者の死亡時の現況で見積もったその年の1/1〜12/31までの見積額により判定します。
予期できなかった譲渡所得などは含めなくても差し支えありません。

例)配偶者控除の所得金額の判定
納税者の死亡後に臨時的に発生した、配偶者が相続により取得した土地を譲渡した場合の譲渡所得などは加算する必要はありません。


 

配偶者控除と扶養控除の両方に該当する場合
配偶者控除または扶養親族に該当するかどうかは、その年の12月31日の現況により判定しますが、年の途中で死亡した場合には、その死亡の時の現況により判定します。

例)所得のない母
父の準確定申告の際に配偶者控除の適用を受けました。
その後、子供と同居して12/31時点では子供の扶養親族になっています。
⇒ 判定時期が異なるため、両方の所得控除の適用対象。

なお、配偶者控除、配偶者特別控除及び扶養控除の月割計算等は行いません。

死亡した年の住宅借入金等特別控除の適用

住宅借入金等

死亡した人の住宅借入金等特別控除
住宅借入金等特別控除は、家屋の取得などをし、その取得などの日から6カ月以内に入居、その後引き続きその年の12月31日までに居住の用に供している場合、適用できます。

死亡した年は、12月31日まで居住していませんが、死亡した日まで居住していれば、準確定申告で控除を受けることができます。

 

相続人の住宅借入金等特別控除
相続により取得した住宅については、相続人は、控除をうけることができません。

住宅借入金等特別控除の対象となる借入金は、家屋の取得などをするためのものに限られています。
相続税で承継した借入金は、家屋を取得するために借入れたものではありませんので適用できません

死亡した人の不動産賃貸収入

収入の計上時期
①原則(権利確定)
契約等により支払日が定められているものは、その支払日に収入計上します。
(支払日が定められていないもの、支払いを受けた日に収入計上)

②例外(期間対応)
次のいずれにも該当する場合、期間対応で収入計上できる。
・継続的に記帳し、不動産所得の金額を計算している。
・継続してその期間に対応する収入金額を計上している。
・前受収益、未収収益の経理を行っている。


※相続税の取り扱い
相続開始時に既に収入すべき期限が到来しているもので、まだ収入していない地代、家賃その他の賃貸料は、相続税の課税価格の計算上、相続財産に計上しなければなりません。
未収家賃を相続財産計上し、前受家賃を債務控除に計上します。



 

経費の計上時期
事業所得の金額は、その年の1/1〜死亡した日までの間の総収入金額から必要経費の金額を差し引いて計算します。
計上する経費は、債務の確定している金額です。

債務確定とは
① 死亡の時までに、債務が成立している。
② 死亡の時までに、具体的な給付をなすべき原因となる事実が発生している。
③ 死亡の時までに、金額を合理的に算定できる。

※未払経費の相続税の取り扱い
相続開始時に未払いの経費は、被相続人の債務として相続税の課税価格の計算上控除することができます。



 

固定資産税の必要経費算入時期
相続開始に固定資産税の納税通知がされている場合
「準確定申告」では、①〜③の選択
全額必要経費算入
納期到来分を必要経費算入
実際納付分を必要経費算入

一方で事業を相続した相続人の確定申告では、上記で必要経費とした額以外の金額を必要経費に算入します。

相続開始に固定資産税の納税通知がされた場合
相続人の確定申告」では、①〜③の選択
全額必要経費算入
納期到来分を必要経費算入
実際納付分を必要経費算入

※相続税の取り扱い
相続税では、その賦課期日に納税義務が確定したものとして取り扱われ、債務控除できます。

固定資産税の賦課期日は1/1です。
納期が未到来でも、全額を債務として相続税の課税価格の計算上控除します。

  • 死亡した年分に課税される事業税

事業税

事業税は賦課の通知を受けた日の属する年分の必要経費に算入しますので、事業税の納税通知書が届いたときに、事業を承継した相続人の事業所得の必要経費とします

ただし、相続人が被相続人の事業を承継しなかった場合には、被相続人の事業はその死亡により廃止となりますので、被相続人の準確定申告について、その賦課の通知を受けた日の翌日から2カ月以内に更正の請求をすることができます。

事業を廃止した年分の事業税の見積計上
事業を廃止した年分の事業税については、事業税の課税見込額をその廃止した年分の必要経費とすることもできます。

  • 死亡した人の消費税の準確定申告

課税期間終了後申告期限までに死亡した場合
消費税の申告書を提出すべき者がその課税期間終了の日の翌日から申告期限までの間にその申告書を提出しないで死亡した場合、その相続人は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に、その被相続人の消費税の確定申告書を提出しなければなりません。

例)3/10死亡の場合、7/10まで

 

課税期間の中途で死亡した場合
個人事業者が課税期間の中途において死亡した場合、その死亡した人のその課税期間分の消費税について確定申告書を提出しなければならない場合、その相続人は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に、その被相続人の消費税の申告書を提出しなければなりません。

 

還付を受けるための申告書
個人事業者が課税期間の中途に死亡した場合において、その死亡した人のその課税期間分の消費税について還付を受けるための申告書を提出することができる場合、その相続人は、その被相続人の還付を受けるための申告書を提出することができます。

最後に

相続人は所得税、消費税それぞれについて、必要に応じて届出書を税務署に提出します。

青色申告者が死亡した場合、事業を承継した相続人が、自動的に青色申告者となるわけではありません。相続人は改めて青色申告承認申請を行う必要があります。

所得税関係の届出書
被相続人に関する届出書
「個人事業の廃業届出書」→ 死亡後1ヵ月以内
相続人に関する届出書
■「個人事業の開業届出書」→ 開業後1ヵ月以内
■「所得税の青色申告承認申請書」
①被相続人が白色(1/16以後に業務承継)
→ 業務を承継した日から2ヵ月以内
②被相続人が青色(1/1-8/31死亡)
→ 死亡の日から4ヵ月以内
③被相続人が青色(9/1-10/31死亡)→ その年の12/31
④被相続人が青色(11/1-12/31死亡)→ 翌年の2/15
■「青色事業専従者給与に関する届出書」→ 2ヵ月以内

消費税関係の届出書
被相続人に関する届出書
「個人事業者の死亡届出書」→ すみやかに
相続人に関する届出書
「消費税課税事業者届出書」→ すみやかに

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事業復活支援金の通常申請の受付が開始されました。

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